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数年前、一時1ユーロ=94円までのユーロ安を引き起こす要因となったギリシア問題。そのギリシアのデフォルト(債務不履行)・ユーロ離脱が現実となってきている。

6月29日、円安・株高のトントン拍子だった金融市場に、衝撃が走った。土日の為替取引停止時間に発表されたギリシア報道は、早朝の為替相場を混乱させた。

チャートは一気に円高に振れた。ユーロ円は前週終値の1ユーロ138円から一時133円67銭まで急落し、5円近くも値を下げた。ドル円も1ドル123円80銭から1円80銭下げ、一時122円を割る勢いをみせた。ギリシアのデフォルトが、世界経済の不安要因となり安定通貨の日本円に資金がながれたためだ。

この日、多くのFXトレーダーが沸いた。ロスカットも間に合わず、ふたを開けたら元本割れなんていう輩はざらにいる。特にサラリーマンや主婦のように副業感覚で少額のデイトレードをしている層に大きな痛手を負ったひとが多い。

ただ、FXを長くやっている熟練のトレーダーにとっては、これくらいの変動は年に数回あるので然程珍しいものではない。直近でも、スイスフランが高騰して、スイスフラン円が一瞬にして50円も触れたのは記憶に新しい。

つまり、今回のギリシアショックは、ある程度前から話題になっていたこともあり「折り込み済み・想定の範囲内」だったともいえる。その割には、大きく動いたなという見方もある。
事実、その後の為替相場は徐々に戻しており、急落した分の大部分が既に回復している。

では、今後の見通しは果たしてどうであろうか。

今回のギリシアショックは、アベノミクスの金融緩和政策からトントン拍子で進んだ円安株高にいよいよ陰りが見え始める兆しではないかと筆者は考えている。

様々な見方や見解があるだろうが、円安・株高で私たちの生活は実際にどう変わったのであろうか。多くの国民は、実生活が豊かになったとは考えていない。事実、消費増税・物価高騰にもかかわらず、給与水準は追いついていない。生活が豊かになったどころか、逆に苦しくなったと感じる人の方が多い。資金は一部のマネーゲームを楽しんでいる富裕層に集中し、格差は広がるばかりだ。

つまり、現在の金融市場は、実体経済をありのままに表現しているものとは到底いえないものであるから、何かの拍子で大きくバブルがはじける危険性を抱えている。今回のギリシアショックは、もしかしたらその序章といえるのではないかということだ。

数年前のギリシア問題のときも、スペインをはじめとして問題を抱えている国はいくつもあることは指摘されていたが、それらの国の現状はどうなのであろう。世界経済が好況になったからといって、失業率が改善され、経済が安定したという話はあまり聞かない。すなわち、ギリシアが引き金になって問題を抱えていた諸国の実態が露呈される可能性はおおいにあり得る。

そうなれば、再び安全通貨の日本円に資金は流れ、円高・株安に逆戻りということになる。もちろん、前回のように70円台まで円高になるかは分からないが、年内には1ドル100円位まで戻る可能性はおおいにあるのではないだろうか。

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